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やり続けない計画・振り返らない計画は考えるだけ無駄

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皆さんの会社には、大抵の場合、中期経営計画(略して中計)があるかと思います。

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Photo by Kindel Media on Pexels.com

では、 “中期”って何年間のことを言っているでしょうか?

だいたい3~5年間のことを言っている場合が多いようです。つまりは、「3~5年間はこの計画に則って経営していくぞ!」と宣言しているわけです。

中計に則って、下位の組織(事業部、部、課)も方針や計画を立てますので、どんな単位の組織であっても、3~5年間はある程度の一貫性や継続性を持って事を進めるはずです。

中計の初年度は、それまでの中計と重点が異なっているでしょうから、色々と変革しなくてはならないことがあるはずです。しかし、2年目以降は中計の進捗状況を見ながら、必要に応じて(戦術レベルを)微修正していく程度かと思います。

そんな基本的な営みができない組織の特徴とそれがもたらす副作用って、無視できない弊害を組織にもたらすのではないでしょうか。

応援団長
応援団長

今回はそんな話です。皆さんの組織は該当するでしょうか。

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1.企画部門が毎年計画立案で忙しい

経営企画や人事企画といった、企画部門が毎年計画を立てて情報発信している状態っておかしくないか?と、私は思います。

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毎年ある時期になると、方針や計画を立てるのにやたら時間を使っている・・・。長ければ、1年のうちの1/3くらいは計画を立てるのに使っているのではないかと思うくらいの組織を見たことがあります。しかも、計画立案に必要な情報を現場のマネジャーに報告させがちで、現場のマネジャーには多大な負担をかかっていることがあります。

毎年こんなことをやっているとどうなるか。その副作用は絶大です。例えば、

▲ 「昨年の取組みは何だったのか?」と、現場は中計を信じなくなる
▲ マネジャーが報告業務で多忙化 ~ 部下をマネジメントできなくなる

皆さんの組織はどうですか?

2.PDCAを回す習慣がない

“あるある”ではないかと思っていますが、上記したような、毎年計画づくりに熱心な企画屋さんって、計画の振り返りを丁寧にしないんですよね。

まあ、毎年計画を練りまくっているような組織なので、計画を立てる時期はまだ振り返るだけの十分な情報がないのでしょうけど、それが毎年繰り返されているので、振り返らないことを企画部門の誰も気にしないんですよ、きっと。

これも副作用は絶大ですよ。例えば、

▲ 企画部門の振り返らない習慣が他部門へ伝染し、現場のマネジャーも従業員も振り返りの習慣をもたない
▲ 誰も計画通りに行動しないので、目標管理はグダグダ・ゆるゆる ~ 誰も目標・評価なんて信じていない

皆さんの組織はどうですか?

3.目先の数字に踊らされる

新しいことを始めるとき、何かを大きく変えるとき、例えば新中計の初年度、もしかしたら一時的に経営の財務指標が悪化するかもしれません。しかし、それは計画検討時点で予め見込める状況のことも多いのではないでしょうか。

そんな状況を我慢し、乗り切って、3~5年かけて変革し、企業価値を高めていくための計画が中計なはずです。

にもかかわらず、ちょっと数字がおかしいからと動揺し、舌の根も乾かないうちに経営層が中計を無視したかのような取り繕い施策を打ち出す組織・・・結構ありませんか。

そこからは継ぎはぎだらけの施策の連打で、3~5年後、結局あらぬ方向に向かい、泥船化、最悪の場合は沈没。

こちらも副作用は絶大ですよ。例えば、

▲ 結局数字かよ、と数字至上主義が組織風土になる ~ コンプライアンス違反の温床に
▲ 「ビジョン・ミッション・パーパスなんてキレイごとだ」と、従業員に何を言っても響かなくなる

皆さんの組織はどうですか?

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今日は中計に関するお話でした。

変化の激しい時代、3~5年間の間でビジネス環境は大きく変わりますので、中計を一切見直すことなく、愚直に遂行するのみというのはリスクを孕んでいるでしょう。が、基本的には、中計も当面の環境変化を見据えて立てられているはずですので、一定程度のリスクは織り込み済みなはずです。

そんな中計を無視したかのような、様々な事象とそれがもたらす副作用を3つ挙げてきました。

皆さんの会社はどうですか?中計の則った活動がどの程度できていますか?副作用が既に出ていて、すっかり“組織の当たり前”になっていませんか?

応援団長
応援団長

自らの日々のマネジメントは中計とどう関連しているのか、関連していないとするならば、その原因は何なのか、一度考えてみてはどうでしょうか。

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