読書感想(26-1):職場の対話はなぜすれ違うのか →「対話、意味ねーよ」と思っている人へ

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元同僚の小林祐児さんがまた本を出されました。

小林祐児 著『職場の対話はなぜすれ違うのか』光文社新書 2026年

いつもながらですが、様々な学問からの視点を用いた考察と調査データ、臨床経験に基づいての論旨がとても面白かったです。

こんなマネジャーの皆さんには読んでほしい!

多くの企業で導入されている「1on1ミーティング」や「キャリア面談」を中心に、“対話しよう!”という風潮が近頃のビジネス界、というより人事界隈を席巻しています。

ミドルマネジャーの皆さんも、研修などの機会で “部下と対話しましょう” というメッセージを聞かれたことがあるのではないでしょうか。

そんなメッセージを聞いて、ミドルマネジャーの皆さん、こんな感じで認識していませんか?

いかがでしょうか?

そして、会社や人事が「やれ」と言うからと、1on1ミーティングやキャリア面談で対話を何度か試みたものの、部下の反応が良くないと、

なんて思うに至り、対話を「面倒だ」とか「無意味だ」とか感じていませんか。

もしそうであれば、今回紹介している本は一読の価値ありです。どうしてこんなに対話がうまくいかないのか、疎んじられるのか。読むと、「なるほど」や「確かに」が得られると思います。

本には、うまくいかない理由に関して様々なことが書かれていますが、最終的には解決策が書かれています。解決策は、会社として検討すべき施策もあれば、ひとりのマネジャーとしてできることも多く書かれています。

以下に、私が本を読んで、ここは多くのミドルマネジャーの皆さんに役立ちそうなことを3つ書きます(ネタバレあり)。お付き合いください。

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“習慣化された無難さ”こそが、目線誘導のための最大の敵(253ページ)

対話を成立させるために、この本の中では “コモン・センス” の大切さを主張しています。

組織内で対話する際に役立つ「共通の前提」のことなのですが、そのコモン・センスを組織内に(再)設計するために、組織メンバーの目線を誘導しよう!と、著者は提案しています。

例えば、期初に行う方針発表は、組織メンバーの目線を集め、組織内にコモン・センスを生み出す意図でやっていますよね。

応援団長
応援団長

ここで、方針発表の様子を、冷静に、客観的に見つめ直してみてください。聴き手である組織メンバーは懸命に、方針を理解しようと聴いているでしょうか。

私の見立てでは、多くの場合で「NO」です。メンバーは聞き流しています。しばらく経てば、内容をほぼ忘れているでしょう。それでは、上司とメンバーとの間で方針に関する対話は成立しません。

ではどうすればいいか。本の中では「ひとさじの力」として、3つのポイントを紹介しています。その中の1つ「時間のひとさじ」に私は強く同意しました。

施策には必ず「変えたい過去や現在」があるはずです。それをいかに生々しく伝えるかによって、聞き手の心に刺さるメッセージになります。同時に、目先の将来だけでなく、「我々は中長期的にどうなろうとしているのか」という未来を知ることにより、ワクワク感ややる気が生まれてくるのではないでしょうか。

組織メンバーが流して聞いているような方針発表には大した意味がありません。工夫しましょう。

「聴く」ことに対する誤解を解く(276ページ)

本にも書かれていますが、多くのマネジャーの皆さんから「1on1のような場で黙っていられない」と聴きます。

特に、キャリアに関する話をする場合、キャリア形成の責任者は本人、つまりメンバー自身です。ときにはアドバイスも有用ですが、基本的には本人がどう考えるか、です。上司らしいアドバイスをせねばと考える必要性は弱いです。

1on1などで、腕組み・足組みをしたり、ずっと目線を合わさなかったり、不機嫌そうな表情をしていたり、パソコンの画面や携帯電話をチラチラと見ていたり、そんな態度や表情で部下は「話を聴いてもらっている」と思いますかね?

オンラインで行うマネジメント研修の参加者の中には、表情も変えず、うなずきもせず、という方を見かけます。こちらからすれば「聞いてます?」と言いたくなります。

応援団長
応援団長

組織メンバーに対して、同じような態度・表情をとっていないか心配になります。もしそうだとすれば、その人とメンバーの間に対話は成立しないんだろうなと考えてしまいます。

相手の話を聴くことを、態度や表情なども含めて、もっと丁寧にやりましょう。

過去の情報を「アンカリング」する(294ページ)

ホントにそう思います。穿った見方をすれば、上司が部下の過去に興味/関心がないのではないかと思います。

キャリアに関して対話しようにも、部下に関して知らないことが多いと、そのような質問をすればいいのか、何を話していいのか、さっぱり分かりませんよね。そうすると対話は成立しません。

さらに言えば、キャリアは過去から現在、未来への続く道のりです。「これから(未来)」を考えるのに、「これまで(過去)」は欠かせない要素です。それを上司と部下の間で話をすることはとても大切です。

誰だって誇れる仕事、頑張った役割を持っています。年上部下に「昔の話を聞かせてください」とお願いすれば、照れくさがるかもしれませんが、嬉しそうに話してくれますよ。私はそんな姿をたくさんみてきています。

1on1で行うのでもいいですが、チーム全体で「互いの過去を知る」というセッションをやることもお勧めします。チーム内にコモン・センスが生まれますので、チーム内に対話しやすい環境が醸成されます。(私は、組織開発の営みとして、この類いの取組みを何度も支援しています)

※テクニカルな話ですが、部下に過去の聞くときは所定のシートを用意して、社会人スタートしてからの歴史を事前に書いてきてもらうといいでしょう。

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今日は、小林祐児さんの新著をもとに書いてきました。

質の良い、継続的な対話を促すために、本に書かれている内容で既に取り組んでる施策もあります。まだまだ不十分な面もありますので、この本から得た学びを実際に現場で活用していこうと思います。

小林祐児 著『職場の対話はなぜすれ違うのか』光文社新書 2026年

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