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読書感想(25-10)人事評価の基本

この記事は約6分で読めます。

部下の評価に頭を悩ませてるマネジャーは多いですね。

こんな言葉をよく聞きます。

マネジャー
マネジャー

■ 部下が評価を納得してくれない
■ 目標を達成した/していないで、部下との間で意見が合わない
■ 成果は出ていないが、頑張っているので評価してあげたいけど・・・
■ 営業と違って、この仕事は定量的に目標設定できないから・・・

皆さんはいかがですか?

私自身、マネジャー時代に「評価は難しい+面倒」と感じていました。

応援団長
応援団長

「評価は難しい」と感じている皆さん、その後に何か解決行動を起こしていますか?

これまでに、人事評価に関する書籍は多数出版されていますが、経営者や人事担当者だけでなく、現場のマネジャーの皆さんも、そういった類いの本を1冊だけでも購入し、読んで、実践すれば、評価にまつわる苦労がかなり減ると思います。

評価にまつわる悩みは最近に始まったことではありません。ずっと昔からあるテーマです。裏返せば、悩みへの対処方法も色々と語られています。そういった先人が生み出した知を学んで実践すれば、解決できることがあるはずです。

そこで今回は、評価で悩んでおられる皆さんに、

西尾 太 著『人事評価の基本』日本実業出版社(2025年)

を紹介します。

人事コンサルタントの書かれた本で、人事評価にまつわる基本が学べます。以下は、本の内容をもとに、私の意見を述べます。

よろしければ、お付き合いを!

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人事評価の目的

まず、人事評価を行う目的を押さえておきましょう。本の中には、

人事評価は、企業と人の成長のために行う!
何がよくて、何がよくなかったのかを指摘し、気づきを与えて、メンバーの成長を促す行為。その結果、企業も成長する。

と書かれています。(150ページ)

読んでどう思われましたか?「ふ~ん」とか「だろうね」といったところでしょうか。

文章の最後に、「その結果、企業も成長する。」と書かれていますが、何をもって “企業が成長した” と見なすのか。それについては、企業ごとに様々な指標(例:営業利益)をセットしています。そして、その指標について、目標とする時期と水準(例:2年後に50億円)があります。

皆さんの所属企業にも、必ずそのような成長目標があるはずです。

企業の掲げる成長目標を起点に、各組織が目標を分解・分担し、最終的に個人目標に落とし込む。そして、一定期間後にその達成度合(よかった・よくなかった)を評価し、メンバーに伝え、気づきを与え、成長を促すのが人事評価なんだ、という点を押さえなければなりません。

企業が前期より低く目標を設定することはほぼありません。成長を前提にしますので。以前にもブログで書きましたが、前期から現状維持の個人目標なんてあり得ません。(→ 現状維持のマズさに関するブログ記事へ)

応援団長
応援団長

所属企業の成長を起点にした目標が設定できていない。だから、「評価が難しい」と思ってしまう状況に陥っている可能性はありませんか?

運や環境の扱い

「運がよかった」「運が悪かった」は考慮しない。
成果評価は「運も実力のうち」として評価します。「運が悪かった」といって評価を上げたりすると、企業・組織の業績との関連性が保たれません。(167ページ)

行動評価は別ですが、業績に関しては、運や環境を評価に加味しないことです。そのまんま評価することです。

ありがちなケース(その1)
社員Aさんは今期高い業績をあげたのだが・・・

マネジャー
マネジャー

■ 今期は市況が良かったからだ
■ 前任者から引き継いだ顧客が良かったからだ
■ ライバル会社のミスによるラッキーオーダーだ

とか言って、評価を下げる。ありませんか?

ありがちなケース(その2)
社員Bさんは今期の業績は悪かったのだが、

マネジャー
マネジャー

■ 今期は市況が急激に悪化したからしようがない
■ 顧客がM&Aで買われてしまったからね

とか言って、救済しようとする。ありませんか?

繰り返しますが、行動評価は別です。ここで言っているのは業績評価。それは、純粋にそれだけを見て評価するのが基本です。

目標が正しく設定できていれば、企業・組織の業績、と個人の業績の間には正の相関があるはずです。企業や組織の業績が良いとき、個人のそれも良ければ、そのまんま報いてあげる。逆の場合もそうです。

応援団長
応援団長

このシンプルな運用ができていないから、「評価は難しい」ということになっていませんか?

業務の重要度評価、優先順位付け

業務の

重要度(ウエイト)はマネジャーが決めるべきです。「何に優先して取り組んでほしいか」を示すのはマネジャーの仕事だからです。(77ページ)

企業や組織の掲げる目標を示さずして、部下に自らの目標を決めさせること自体、既に論外なマネジメントですが、さらにその目標を達成するための行動に関して、重要度評価や優先順位付けを部下に決めさせるのは愚の骨頂です。

部下が自己都合で、やりたいもの・やりやすいもの・達成できそうなものを優先して取り組んだ結果、企業や組織として達成したかったことができなかったら、それは

100%マネジャーの責任

です。

企業として実現したいもの・達成したいことがあります。それを得るために、組織として活動しているわけですので、個人の勝手が優先されるのは誤りです。

マネジャー
マネジャー

でも、企業や組織の都合で個人の目標設定をしていては、社員のモチベーションが上がらないのでは?

そうですね。その点への解決策は幾つかあります。ここで2つ示しますと、

1つめは、「職務特性論」にヒントがあります。任せたい仕事の設計や、部下への関わり方に工夫を加え、モチベーションに配慮することができます。(→ 職務特性論とは何か。「日本の人事部」さんのサイトへ)

2つめは、「Situational Leadership理論」にヒントがあります。目標設定の場面に限らず、部下のレディネス(意欲と能力)によって、接し方・任せ方を変えることで、モチベーションへの配慮が可能です。(→ Situational Leadershipとは何か。日本能率協会さんのサイトへ)

応援団長
応援団長

マネジャーの皆さんが部下にやってほしいと思っている仕事の優先順位と、部下がやりたいと思っている仕事の優先順位がズレていませんか?それが、「評価は難しい」という状況を生んでいませんか?

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人事評価は簡単なものではありません。しかし、基本的なことを押さえれば、悩みはだいぶ解消されます。

人事評価にAIが導入されることにより、評価に客観性が増すとか、評価に費やす時間が効率的になるという意見がありますが、それにはマネジャーの制度理解と確実な運用が前提にないといけません。(そうでないと、余計に悩むことになるか、マネジャー不要論を助長することになるか・・・)

今回のブログで書いた内容は「基本的なこと」のごく一部です。今回紹介した本に限らず、他の本でも、YouTubeの映像でも構いません。ポイントを学んで、とにかく実践してみることです。

以上

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