前回のブログは、いつもより大きなリアクションをいただきました。ありがとうございます。(→ 前回のブログへ)
興味深かったのは、内部昇進マネジャーの皆さんからのリアクションは特になく、外部招聘マネジャー経験のある皆さんから複数のリアクションをいただいたことです。
具体的には、こんな声をいただきました。

記事の通り。(中途)入社したばかりの頃、ほんと、部下に気を遣ってたわぁー

入った会社の制度や仕組みに慣れるのが大変でした。誰に聞けばいいのかも分からないし、新卒のときのようなトレーナーもいないし・・・。特に、その会社の暗黙のルールみたいなものを知ったり、それに対応したりするのは本当に骨が折れました・・・

強く共感します!暗黙のルールや、意味不明なしきたりが数多くある組織はホントに面倒ですよね
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今回も前回に引き続き、私が大学院の修士課程のときに取得したデータをGeminiさんに色々と分析してもらいました。その分析結果から、内部昇進マネジャーと外部招聘マネジャーの違いを述べていきたいと思います。

約10年前に大手素材メーカーA社さんに依頼して取得したデータですが、現在でも活かせそうな、とても興味深い分析結果が出ました
今回もお付き合いいただけますと嬉しいです。
内部昇進マネジャーと外部招聘マネジャーとでは、業績につながる行動が異なる?
前回のブログでも書きましたが、取得したデータをもとに、管理者(主に課長レイヤー)がどのような行動をとっているのかを分析した結果、以下の4要素が抽出されました。
1.変革・挑戦志向:現状維持ではなく、新しい試みや部下へのストレッチな課題付与を特徴とする行動
2.人間関係・配慮:部下との信頼関係構築や感情的サポートに重点を置いた行動
3.政治・ネットワーク構築:職場の外(他部署や社外)との調整や、情報収集を有利に進めるための行動
4.印象管理・一貫性:自己のリーダーとしてのイメージを戦略的に構築し、周囲からの信頼を獲得しようとする行動
そして今回、これら4つの要素(=管理者行動)が「業績」にどう関係しているのかを分析してみました。
果たして、内部昇進マネジャーと外部招聘マネジャーとでは、「業績」に影響を与える要素に違いがあったのでしょうか。
それに加えて、4つの要素が「有能感」にどう関係しているのかも分析してみました。
「有能感」とは、マネジャーとしての手応え感、「私ってイケてる」と思えている感のことです。マネジャーが「有能感」を得ているということは、マネジメントがうまくいっていると言えるのではないかという考えをもとに用いた概念です。こちらも、内部昇進マネジャーと外部招聘マネジャーとの間で、関係する要素に違いがあったのでしょうか。

分析結果
「業績」への影響はこんな分析結果でした。


■ 内部昇進マネジャー:「政治・ネットワーク構築」が「業績」に有意に効いている
■ 外部招聘マネジャー:「変革・挑戦志向」と「印象管理・一貫性」が「業績」に有意に効いている
やはり、内部昇進マネジャーと外部招聘マネジャーとでは、「業績」に効いている要素が異なりました。

内部昇進マネジャーは、それまでに培った社内人脈や根回しなどを通じて成果を出しているんですね
そして、もうひとつ、「有能感」への影響はこんな感じでした。


■ 内部昇進マネジャー:「政治・ネットワーク構築」と「人間関係・配慮」が「有能感」に有意に効いている
■ 外部招聘マネジャー:「変革・挑戦志向」と「人間関係・配慮」が「有能感」に有意に効いている
「人間関係・配慮」は両者に共通して、「有能感」には有意に影響を与えているようです。
内部昇進マネジャーか外部招聘マネジャーかに関係なく、部下との関係性が「私って、マネジャーとしてうまくやれている/やれていない」の判断軸になっているということですね。

確かに、部下から総スカンを喰らっていては、「マネジメントをうまくやれている」なんて思えませんよね
考察
分析結果を受けて、Geminiさんはこのように考察しています。
◇ 内部昇進マネジャーは、それまでの社歴を通じて構築されている社内人脈で勝負するのに対し、外部招聘マネジャーは「変革行動」と「印象管理」で勝負している
◇ 外部招聘マネジャーにとって、「印象管理」は業績をあげるためには有効だが、有能感を高める効果は限定的
Geminiさんの考察を受けて
外部招聘マネジャーは内部昇進マネジャーと異なり、社内人脈がありませんし、社内のパワーバランスも分かりませんので、政治的な動きも上手にできません。
ですので、変革を推進する正当性と、それをリードする自分という人間の正当性を自己演出(印象管理)し、それがうまく機能して成果を出していると見れば、この分析結果には納得感があります。
ただし実際には、外部招聘マネジャーの上司からの支援が成果創出には欠かせないと思われます。この点は、組織社会化や組織再社会化に関する過去の研究で指摘されていることです。

組織変革を期待されて入社しても、上司がまるで支援してくれないのは本当に辛いです。私も経験があります
特に、転職経験のない部長以上の皆さんにお伝えしたいのですが、課長として外部から招聘した人材への支援を丁寧にやってあげてほしいです。特に、社内人脈を構築するための支援(社内キーパーソンとの繋ぎ)は必須です。
キャリア入社は「即戦力」なんだから、そんなに支援は要らないだろうと思ったら間違いです!
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今回の再分析の結果でもう1つ気になったのは、内部昇進マネジャーの「変革・挑戦志向」が業績に有意な影響を有していないという点です。

内部昇進マネジャーに組織変革を推進することやストレッチ目標を設定・実現することは期待できないのでしょうか。過去の延長線上で組織を回すことしか期待できないのでしょうか。気になります・・・
次回は、外部招聘マネジャーがいかに新組織に適応していくのかを見ていきます。お楽しみに。

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