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そうなってしまうのには、構造的な原因があると考えます。以下に3つ挙げます。

1.マネジャーに必要な言動を知る機会がない
2.人材開発部門の遠慮
3.マネジャーの上司がもつ視点のズレ

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1.マネジャーに必要な言動を知る機会がない

マネジャーの皆さんに、「マネジメントって何をすることなんですか?(何をしなくてはいけないのですか?)」と聞いても、部下育成とか、ビジョンを示す、決断するとかいったことが出るくらいで、具体的に出てくる項目は10個行かないかもしれません。

誰だって、自分が認識していること以上のことはできませんので、自分が挙げることのできる項目以外のことはやらないでしょう。(無自覚でやっていることはあるでしょうけど、再現性は乏しそうです)

マネジャーのやることってもっとたくさんあります。その証拠に、世の中にある360度サーベイ(多面評価とも言う)の項目を見てみると、ざっと言っても20~30項目はあります。

real estate agent discussing the written report on a wooden table
Photo by RDNE Stock project on Pexels.com

360度サーベイでは、マネジャーとしての理想の言動をサーベイの中で質問しています(反転質問の時もある)のでそういうことになります。

360度サーベイをやっている会社のマネジャーでさえ、自分のレポートをじっくり読んで、サーベイ項目(=マネジャーとして有効な言動)を覚えようとする人はごくわずかです。他者評価が高かったものと低かったものを覚えているくらいでしょう。

ましてや、360度サーベイをやっていない会社(あるいは真剣にやっていない会社)のマネジャーの状態は言わずもがな、です。

ですので、不完全マネジャーのまま終わってしまいます。

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2.人材開発部門の遠慮

社内での立場において、「人材開発部門や研修部門が現場より強い」という会社はありますか?

私は聞いたことがありません。一部の業界(金融など)では「人事部門が強い」と言われたりしますが、それは人事評価や処遇、配置の権限を有している部門であって、同じ人事機能でも人材開発部門・研修部門はそうではありません。

つまり、人材開発部門・研修部門は現場に遠慮しながら研修の企画・実施しているということです。現場に嫌われないように/文句を言われないように施策を考え、実施しているのです。会社の成長にとって必要な研修も、現場の顔色を伺いながら企画・実施しているということです。

日々変わりゆくビジネス環境の中で、マネジャーの皆さんに実践してほしいこと/考えてほしいことがあったとしても、

*マネジャーの皆さんを集めて研修をやるなんて言ったら、事業部長から叱られそうだ
*多忙なマネジャーの皆さんを、研修で●時間拘束するなんて言ったら現場から文句が出そうだ

とネガティブな側面を想像し、本当はマネジャーにとって必要な学びの場であったとしても、企画を諦めるということがあります。やってみたら、受講生から「受けて良かった」と言われる可能性のあるものであっても、です。

例えば、「コーチング」。

本当に効果的なコーチングをやっているマネジャーなんて、消費税率(10%)より低いと思います。今の時代、もっと多くのマネジャーがコーチングを実践したほうが、その会社の方針や戦略にも合っており、良いはずなのですが、

現場のマネジャーに文句を言われたくないので、現場から”余計”と思われる研修などはやりたくない。そこには

私はこれまでに、管理職になって1年以上経っている人たちに対して、組織マネジメントに関する研修を行うことが何度もありました。

あるマネジャー
あるマネジャー

こんなに忙しいのに、また研修かよぉ・・・

と、最初は面倒くさそうな態度を見せていた受講者の皆さんが、研修が終わる頃には、「もう少し早くこういったことを学んでおきたかった」とか「今回の内容はマネジャーになりたてのタイミングで教えてほしかった」とか言うのです。

研修内容は、マネジメントを数年経験しているマネジャーだからこそ必要なものであったかというとそうでもありません。新任管理職研修で学ぶような、基本的な内容が多く含まれています。にもかかわらず、彼・彼女らは

あるマネジャー
あるマネジャー

もう少し早く教えてほしかったーーーーーーーー

と言うのです。

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3.マネジメントを体系的に教えられる人はいない

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